オールジャパンで車いすをウクライナに送るプロジェクト(Japanese Wheelchair Project for Ukraine)の第2便150台のうち140台が配布された同国西部テルノピリ州の子ども病院と養護施設、病院2カ所を4月24日から3日間にわたって訪問しました。(文と写真:在英国際ジャーナリスト、木村正人、史子)
州立小児臨床病院には「希望の車いす」「『飛んでけ! 車いす』の会」「海外に子ども用車椅子を送る会」から車いす15台、バギー2台が贈られました。そのうち、リハビリセンターでは「『飛んでけ! 車いす』の会」の車いすに乗った女の子がお母さんに押してもらって、ニッコリ笑顔を浮かべました。院内の廊下でイミコラちゃん(3つ)の車いす(同会寄贈)を押していた母親のナタリアさん(29)は「リハビリが終わったら、車いすを頂けるそうです。2つの肩ベルトで固定されるので安心です」と話していました。
特別タイプ1台を含む車いす15台が寄贈された州立病院には24日訪れました。
飛んでけの者も含む、日本の車いすは1週間前に届いていました。ビクトル・ザポロジェッツ院長は「戦場で負傷した患者183人が入院しています。昨年4月から患者が増え、今年1月までに6000人の患者に2万回の手術を施しました。1人で何度も手術を受ける患者がいます」と言います。
患者の多くはリハビリを終えると戦場に戻ります。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が軍を撤退させなければ戦争は終わりません。頭部に重傷を負って家族の元に戻れるサーシャさんが幸せかどうか筆者には分かりません。日本の車いすも家族との散歩のお供をするようになり、いずれは故郷で生活のサポートをするようになります。