今回は早稲田大学古山ゼミの松田麗翔さんのレポートです。
受取主はタン・ティ・フオン・タオさん18歳女性。脳性麻痺による肢体不自由がありてんかんがある方です。常同行動、同一性保持の強い様子でした。大発作を持っており、ほぼ毎日起こるようです。てんかん薬も持っていますが、ほとんど効かないとのこと。ビニールを握って音を出すのが楽しそうでした。
ご両親の介助がなければ、本人の意思で移動することが難しく、椅子から車いすに乗ってもらうのも二人がかりだったため、普段から外出する機会が少なかったのではないかと感じました。ご家族皆様が穏やかな方々で、車いすの説明をしている際も、真摯になって聞いている様子でした。タオさんは常に笑顔で楽しそうな様子に、とても癒されました。
当日は、髪の毛をカットしたばかりでした。髪を切りに行くことができず、自宅に訪問してもらっていましたが、これからは車いすを押して髪の毛を切りに行けると喜んでいました。
成田出発時、車いすを預ける際に、タイヤに空気が入ってるか確認され、預けるまで少し時間がかかりました。また、車いすを梱包から開封する際に、天地が逆になってしまっていました。
私は今回の活動に参加できたことを嬉しく思います。直接車いす待ち望んでいる方へ届けることで、受け取った方のリアルな反応や感情が伝わってきました。笑顔で車いすに乗っている姿や、真剣に車いすの操作を覚えようとしている姿を見て、私たちが参加させていただいた活動の価値を実感できました。
この活動は大勢の方々の協力のもと成立していると思うので、活動が世の中に広まるほど、より多くのニーズが生まれ、活動の幅が広がっていくのではないかと感じました。そして、この活動から得た経験をバリューチェーンの観点からより良いものへと見直し、世界中の困っている人々へ更なる喜びを届けることができると思いました。自分の手で車いすを届け、受け取られた方の笑顔や喜びを感じられたことは、これまでにない貴重な経験でした。
本当にありがとうございました。